【ブース紹介】自動車業界 〜AWS for Automotive〜の紹介 #AWSSummit

【ブース紹介】自動車業界 〜AWS for Automotive〜の紹介 #AWSSummit

AWS Summit Japan 2024で展示されていた自動車業界向け展示のご紹介です。
Clock Icon2024.06.21

はじめに

製造ビジネステクノロジー部の佐藤智樹です。

今回はAWS Summit Japan 2024にて展示されていた、自動車業界向けの展示〜AWS for Automotive〜について簡単にご紹介します。生成AIと組み合わせることで既存の業務の効率化やデータ収集の効率化など面白い展示がいくつかあったのでご紹介します。

コネクテッドビークル AI解析による運転体験の最適化

こちらのブースでは、AWS IoT FleetWiseを使用し運転データを利用した分析と学習の最適化する内容が展示されていました。

画像の左のアーキテクチャで車両側にGreengrassとFleetWiseのエッジエージェントを配布し、Greengrassで路面状況の推論を行うモデルを配布します。配布したGreengrassのモデルが車両のフロントカメラから取得した画像データの分析とECUから取得した情報を分析します。両方の分析結果で、路面情報に差異があった場合にデータをAWS側へ転送し、再度モデルの学習を行います。学習した結果を再度Greengrassのエージェントへ配布し、より現実のデータで学習しながらモデルを即座にアップデートできます。

これによりモデルはよりリアルなデータからの学習を早めることが出来ます。また学習に使う画像データもより厳選したものだけを送ることが出来るので画像データの転送量をかなり下げることができます。AWSではデータの保存量に応じて課金が発生してしまうので、コスト削減も期待できます。

上記のようなアーキテクチャが韓国のメーカーで分析しながら使われているようです。自分もFleetWiseとGreengrassを触ってみてはいたのですが、ここまで応用できていなかったので勉強になりました。

生成AIなどを活用した AWS 上での自動運転機能の加速

こちらでは自動運転において画像の学習データのアノテーション作業に着目し、よりコストをさげるための生成AIの活用が紹介されていました。

膨大な車両データをすべて目で確認して検索することは大変で、人目でチェックする場合も人によって個人差が出る可能性はあります。そこに生成AIを使って、膨大な画像データのなかから雨の日など特定のシチュエーションを入力することで、簡単に画像データ確認でき、学習データとして追加するためのアプリケーションまで紹介されていました。

実際に試したところ横断歩道でスマホを操作している人などはちゃんと検出されていました。ただベビーカーなどは似たような車椅子のようなものと誤認されていたりしたので、ユースケースに合わせたチューニングはある程度必要な感じでした。

AWS クラウドによる車載ソフトウェア開発の高速化

こちらの展示では、従来ハードウェアが必須となっていた車載側のシステム開発をよりクラウドネイティブ化するための取り組みが紹介されていました。

具体的には車載システムで使用されるQNX OSをマーケットプレイスで提供したり、エミュレータや開発環境がセットになった環境を即座に提供するための仕組みなどが紹介されていました。

従来だと、テスト用の車載システムで固定費が多くかかっていたところを、従量課金で利用できるので小規模でも始めることが出来ます。また開発環境構築の効率化が実施されており、最近話題になっているプラットフォームエンジニアリングのような側面も感じることができました。詳細は別の登壇で、「AWS を活用した車載ソフトウエア開発ソリューションと自動車メーカー様事例」の弊社ブログでもレポートとして掲載される予定なのでそちらも合わせてご確認ください。

20240622追記:弊社ブログが投稿されたので気になる方はこちらもご確認ください。

クラウドからエッジへ 自動運転開発サイクルを高速化するオープンソース環境

こちらではクラウドで変更した自動運転ソフトウェアをOTAで車両へデプロイするデモが紹介されていました。画面右側でキャンペーンを定義し、期間や変更内容を設定することで車両側に学習した内容などを反映できるデモでした。

AWSとしてはクラウドベースの車載ソフト開発を加速するための団体 SOAFEE(Scalable Open Architecture For Embedded Edge/ソフィー)にも関わっており、複数のハードウェア構成に対応してよりクラウドネイティブなアーキテクチャを使用していくための活動に力を入れているようです。

展示ではSOAFEEの中でのEWAOL(Edge Workload Abstraction and Orchestration Layer)を使用して実装されており、エッジ側のオープンソース化にも力を入れているようです。以下でもソースコードが紹介されていました。

所感

車両ソフトウェア開発の効率化や生成AIを活用したアノテーション作業の改善、FleetWise+Greenglassを活用したデータ学習/収集の効率化など様々なトピックが紹介されておりとてもおもしろかったです!自動車業界と関わりのある方は是非訪れてみてください。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.